2012/06/18

KDPI

 Deceased donor移植腎のオファーを受けるのは、たいてい移植外科医である。OPOが、UNOSデータベースをつかって誰にオファーするか決める。もし0 mismatch(HLA-A、B、RDがすべて適合)でPRAが低いレシピエントがいれば、米国どこでもそこに届けようとする。そうでなければ、まず近い順に声をかける。オファーを受けた移植外科医には三つの選択肢、①イエス、②腎生検しだい、③ノー、がある。

 移植腎の質は大まかにnon-ECD(extended criteria donor)、ECDに分けられる。ECDとは①60歳以上のドナー、②50-59歳で以下の二つがあるドナー(クレアチニン1.5mg/dl以上、死因が脳血管障害、高血圧の既往)のことだ。ECD kidneyは寿命が少し短いが、高齢のレシピエントには十分長い(し、ECD kidneyを含めると待ち時間が短くなる)ので移植される。

 臨床で用いられている移植腎のリスク分類はECDだけだったが、最近UNOSがKDPI(kidney donor profile index)を試験的に導入した。これはミシガン大学がdeceased donor kidneyのUNOSデータをCox regression解析して得たKDRI(kidney donor risk index)を改変したものだ(Transplantation 2009 88 231)。

 年齢、身長、体重、人種、高血圧、糖尿病、死因、クレアチニン、HCV、DCD(donation after cardiac death)を入力すると、0(もっとも良い)から100(もっとも良くない)の指数を返してくれる。80以上が大体ECDに相当する。これはまだprospectiveにはvalidateされていないが、UNOSが採用したのでこれからデータが得られるだろう。